「営業、向いてないかも…」
毎朝そう思いながら、出勤していませんか?
私もかつて、先輩から「もっとガツガツいけよ」と言われるたびに、胃がキュッと痛くなっていました。お客さんに断られた日は、帰りの電車でずっとそのやりとりを反すうしてしまう。「自分の何がダメだったんだろう」って。
HSPで営業が辛いと感じるのは、あなたの努力がたりないからじゃありません。脳のしくみ上、営業という環境がHSPには負荷が大きいんです。でも「HSPだから営業は全部ムリ」とも限らない。今回は、営業が辛い原因と、その先のキャリアのえらび方をお話ししますね。
HSPが営業を「向いてない」と感じる6つの原因
「営業 辞めたい」と検索するHSPの方は、本当におおいです。SNSでも「HSP 営業 辛い」で調べると、こんな声がたくさん出てきます。
「テレアポのたびに心がすり減る」「数字を詰められると頭が真っ白になる」「飲み会の空気を読みすぎてクタクタ」。どれも、私にはグサグサ刺さりました。
HSPが営業を辛いと感じる原因は、おもに6つあります。
①ノルマのプレッシャーに押しつぶされる
毎月リセットされる数字。「今月もゼロからスタート」という感かくは、HSPにとって想像いじょうのストレスです。
HSPは先のことを深く考えるくせがあるので、月初の時点で「今月も達成できなかったらどうしよう」と不安がはじまります。まだ何も起きてないのに、もう胃が痛い。これがずっと続くんですよね。
②飛びこみ・テレアポが怖い
知らない人にいきなり声をかける。電話をかける。これはHSPにとって、ものすごくエネルギーを使う行動です。
相手のめいわくそうな声、けげんな表じょう。そういった反応をぜんぶ拾ってしまうのがHSPなんですよね。1件の電話でうけるダメージが、ほかの人の何倍もおおきい。電話がとにかく辛い方は、こちらの記事もよんでみてください。
③断られるダメージが大きすぎる
営業は断られるのが当たり前の仕事です。でもHSPは「断られた=自分を否定された」と感じてしまいがちなんですよね。
私も接客業じだいに、お客さんから「いらない」とつめたく言われた日は、家に帰ってからもずっとそのことばが頭をまわっていました。ねる前にもフラッシュバックする。翌日もひきずる。これが毎日続くと、こころがもちません。
④飲み会・接待の空気読みでクタクタ
営業職にありがちな飲み会文化。HSPは場の空気をよみすぎるので、2時間の飲み会でも、まるで8時間はたらいたくらい消もうします。
「あの人、つまらなそうにしてる」「この話題、まずかったかな」。そんなことをずっと気にしながら笑顔をつくり続ける。正直、拷問にちかいです。
⑤数字だけで評価される恐怖
どんなに丁寧にお客さんと向きあっても、結果が数字に出なければ評価されない。この構造がHSPにはきついんです。
HSPは過程をだいじにする気質です。「あのお客さんに寄りそえた」「いい提案ができた」。でもそれは、売上の数字には反えいされません。努力のほうこうと評価のほうこうがズレている感かくは、じわじわと自己こうてい感をうばっていきます。
⑥上司からの「詰め」に耐えられない
「なんで取れなかったの?」「もっと件数まわれよ」。営業会議での詰め文化は、HSPにとって最大のてきかもしれません。
私の場合、直接怒鳴られたわけじゃなくても、となりの人が詰められているのを聞くだけで動けなくなっていました。接客業のときも、店長が別のスタッフに怒鳴る声がこわくて、バックヤードで立ちすくんだことがあります。HSPは自分にむけられていない怒りにも、つよく反応してしまうんです。
全部あてはまります…。もう営業は完全にムリなんでしょうか?
じつは、そうとも限らないんです。営業のスタイルしだいでは、HSPの強みが活きることもありますよ。
「HSPだから営業が全部ダメ」ではない — 向いてるスタイルもある
ここで、ちょっとだけ立ちどまってほしいんです。「営業=飛びこみ・テレアポ・ノルマ」というイメージがつよいですが、じつは営業にもいろんなかたちがあります。
HSPの「相手の気持ちを深くくみ取れる力」は、ある種の営業ではめちゃくちゃ武器になるんですよね。
ルート営業(既存顧客メイン)
すでに関係ができているお客さんを定期的にたずねるスタイルです。新規開たくのプレッシャーがすくなく、じっくり信らい関係をきずけます。
HSPの「相手の変化に気づく力」が活きる場面がおおいですね。「いつもと様子がちがうな」と感じとって、先まわりで提案できるのはHSPならではです。
インサイドセールス(内勤型)
オフィスからメールやオンラインで商談するスタイル。飛びこみや対面のプレッシャーがありません。
ぶっちゃけ、テキストベースのやりとりが中心なので、HSPが感じる「対面の緊ちょう感」がぐっとへります。準備してから話せるので、深くかんがえるHSPには相しょうが良いんです。
カスタマーサクセス
すでに契約しているお客さんの成功をサポートする仕事です。「売る」より「支える」にちかい。
お客さんの不安やこまりごとに気づけるHSPには、ぴったりのポジションですね。「押し売り」じゃなく「寄りそい」がもとめられるので、HSPの共感力がそのまま武器になります。
もし今の会社にルート営業やインサイドセールスの部しょがあるなら、異動をそうだんしてみるのもひとつの手です。転職しなくても環境をかえられる可能性がありますよ。
ただし、万人にあてはまるわけじゃありません。「営業という職種じたいが辛い」「お客さんとのやりとり自体にエネルギーを使いすぎる」と感じるなら、むりに営業にとどまる必要はないですよ。
営業から転職するなら?HSPに合う次のキャリア3つ
リクルートの調査によると、営業経験者のキャリアチェンジ先として人気なのは「事務・管理系」「企画・マーケティング系」「IT系」の3つです。じつはこの3つ、HSPとの相しょうもいいんですよね。
dodaのデータでは、営業職の離職率はほかの職種よりも高い傾向にあります。つまり、営業をやめて別の道にすすむ人は、あなたが思っているよりずっとおおいんです。
①事務・バックオフィス
正確さやこまやかさがもとめられる仕事です。HSPの「ミスに気づく力」「丁寧に処理する力」がそのまま活きます。
営業経験があると、「現場の気持ちがわかる事務」としてかなり重ほうされますよ。営業チームが何をもとめているかが肌感かくでわかるので、先まわりでサポートできるんです。
デメリットもお伝えしておきますね。電話おうたいがおおい事務職もあるので、そこは求人をしっかり確認してください。「電話なし」「チャット中心」の職場をえらぶのがコツです。
②マーケティング・企画
データを分せきしたり、ユーザーの心理を読んだりする仕事。HSPの「深くかんがえる力」「人の気持ちをくみ取る力」が直結します。
営業で「お客さんが本当に求めているもの」を感じとっていた経験は、マーケティングでそのまま使えます。顧客インサイトの理かいは、マーケターにとって最大の武器ですからね。
ただし、未経験からだとハードルが高い職種でもあります。Webマーケティングなら、独学やスクールで基礎をまなんでから転職するルートがおすすめですよ。
③IT・Web系職種
エンジニア、Webデザイナー、ライターなど。リモートワークがしやすく、自分のペースで作業できる環境がおおいです。
私じしんも、接客業からWeb系に転職しました。今はリモートワークで、自分のペースではたらけています。あの頃とくらべると、毎日の消もう感がまるでちがいますね。
注意点としては、「IT=ひとりで黙々」ではない職場もあります。チームでのコミュニケーションは必要なので、「完全にひとりでやりたい」と思っている方は、フリーランスも視野に入れてもいいかもしれません。
HSPに向いてる職種をもっと知りたい方は、こちらの記事でくわしく紹介しています。
営業経験はHSPの強みになる — 棚おろしポイント3つ
「営業やってた時間、ムダだったな…」。そう思っていませんか?
断言します。ムダじゃないです。営業で身につけた力は、HSPの気質とかけ合わさることで、ほかの職種で大きな武器になります。
①傾聴力 — 「聴く営業」をしていた自分に気づく
HSPの営業スタイルって、ガツガツ押すタイプじゃないですよね。相手の話をじっくり聴いて、本当のニーズをくみ取る。いわゆる「聴く営業」です。
これ、事務でもマーケティングでもIT系でも、ものすごく求められるスキルなんです。職務けいれき書には「ヒアリングを通じた課題はっくつ」と書けますよ。営業経験をアピールする書類の書き方は、こちらの記事がさんこうになります。
②提案力 — 相手目線で考えぬいた経験
HSPは「自分が売りたいもの」ではなく、「相手が本当にほしいもの」を考えます。この視点は、どんな仕事でも価値があります。
企画書をつくるとき、資料をまとめるとき、チームに意見を伝えるとき。「相手がどう受けとるか」を自然にかんがえられるのは、営業で鍛えたHSPだからこその力です。
③リスク察知力 — 「やばい空気」を感じとる力
「あ、このお客さん、ちょっと不満がたまってるな」。そういう微妙なくうき感を察知できるのは、HSPの大きな強みです。
プロジェクトのリスク管理、クレームの未然ぼうし、チーム内のもんだいの早期はっけん。営業でやしなったこの「察する力」は、どの職種でも高くひょうかされますよ。
営業の経験をそんなふうに言いかえられるんですね。でも、ひとりで転職活動するのがちょっと不安で…。
ひとりで抱えこまなくてだいじょうぶですよ。プロの力を借りるのも、りっぱな選たくです。
営業以外の求人をさがすなら、HSPの気質を理かいしてくれるエージェントにそうだんするのがおすすめです。くわしくはこちらをチェックしてみてくださいね。
「次のキャリアをプロといっしょに考えたい」という方には、キャリアコーチングもひとつの方法です。自分の強みを客観的にことばにしてもらえるので、転職活動の軸がぐっと定まりますよ。
まとめ:「逃げ」じゃなく「選び直し」をしていきましょう
営業が辛い。向いてない。そう感じているHSPのあなたに、伝えたいことがあります。
営業を辞めることは、逃げじゃありません。自分に合ったはたらき方を「選び直す」だけです。
今回お話しした内容をまとめますね。
- HSPが営業を辛いと感じるのは、ノルマ・テレアポ・詰め文化など6つの原因がある
- ルート営業やインサイドセールスなど、HSPに向いてる営業スタイルもある
- 営業から転職するなら、事務・マーケティング・IT系の3つが相しょう良し
- 営業経験で身につけた傾聴力・提案力・リスク察知力は、次のキャリアで武器になる
私も「もっとガツガツいけ」と言われるたびに、「自分はダメな人間だ」と思っていました。でも今は、あのときの自分に「ガツガツいけないのは弱さじゃなくて、気質なんだよ」と教えてあげたいです。
あなたが営業でつちかった力は、かならず次のステージで活きます。だいじょうぶ。あなたのペースで、あなたに合った場所をさがしていきましょう。
